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たまこラブストーリーについて(公開編)

こんにちは カゲヤマ です(^^)

いきなりですが、早速レポートを公開します。

 

 

アニメ映画「たまこラブストーリー」にあるメタファーと

それにより効果付けられた映画への影響について考察する。

この映画は2014年4月に公開され、元々は深夜アニメとして放送されていた

たまこまーけっと」の劇場版となっている。

本作は前作のアニメとはストーリー展開が異なり前作の商店街の日常生活ではなく

打って変わって主人公と幼なじみ2人のラブストーリーである。

主人公は幼い頃から一緒を過ごし家族のように思っていたが、

幼なじみは長年恋愛感情を持ち続けていた。

しかしついに告白を決断する。

高校3年生になった彼らは進路を決め、将来を考える環境になったことも加わり

主人公含めた登場人物の気持ちの変化や成長を描いている。

 

映画のシーンには色々なメタファーが登場し、

レコードや舞台である商店街の経済などの回るものは

「変化しないもの(恐れを感じて前に進めない)」を例え

主人公たちの感情をよく表していて、

川や糸電話の声、カセットテープなどの一方行ったら帰ってこないものは

未来や将来への前進に例え、登場人物の成長をより効果的に表している。

しかし今回は特に自身が気になった「綿毛」について話す。

 

「綿毛」が登場するシーンは映画の後半、

主人公たまこが幼馴染もち蔵に返事をしようとしていると

教室で友人のみどりと会う。

彼女との会話中に綿毛が3つ空に飛んでいくシーンが挟まっている、

この一瞬だけである。

この綿毛が飛んで行くという動きは 一方通行で 帰ってこないことにより

主人公たちの成長を表しているのは分かりやすいが、

問題はその綿毛の数である。

1つは告白に返事をしようと決心をつけた主人公であるたまこ、

もう1つは今までの関係を打破するため、

またなあなあだった自分から脱出するため告白し、

都内に進学することに決めたもち蔵である。

残りの1つは友人であるみどりである。

前作のアニメだが、みどりの恋模様は曖昧に描かれていた。

友人のたまこにベッタリだったり、それ故にもち蔵にイジワルをしたりしていた。

たまこがもち蔵に告白され、彼を男の子として意識し始め、戸惑っているときも

側でみどりは気分が下がっていることが伺える。

これらの言動からある種、みどりは「どっち」が好きなのか考えさせられるが、

映画を見ているとたまこの事がベッタリなくらい好きだから

もち蔵に嫉妬していることが分かる。

たまこがもち蔵との関係を前進させたと共に、

みどりもたまこ、またもち蔵に対しての感情に

終止符を打ち成長したことが理解できる。

この空へ舞い上がった「綿毛」は3人の成長である。

 

本作はタイトルにある通り

幼なじみ2人の恋愛成長ストーリーであるとされながら、

実際は彼ら幼なじみを含めた高校生の登場人物全員の成長物語であることが

このメタファーを通して分かる。

特に幼い頃から2人と過ごし育ってきた、

友人みどりの失恋成長ストーリーであることが深く頷ける。

表向き主人公とそのヒーローが結ばれるハッピーエンドでありながらも

その映画名とは裏腹に陰でこっそりと失恋を描いている、

この意外性こそが映画を見た後に感じる心温まる

でも少し寂しい感情を生み出す原因であり、映画全体の魅力担っているのではないか。